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【Medical FAQ/医療相談】リウマチの既往症があるゲスト

◆相談内容◆

質問者:インストラクター

関節リウマチの持病があるお客様から、ファンダイビングへのお申込みがありました。
ダイビングの可否判断、可能な場合にはどのような診断書が必要か、アドバイスを頂ければと思います。

【ゲスト情報:30代・女性 潜水本数:30本】
約7年前に関節リウマチを発症(現在、関節に痛みはほぼない)
服薬している薬は4種類:
・メトトレキサート
・ケアラム
・フォリアミン
・タケプロン
8週間に1度通院し、点滴(レミケード)をしている。

◆医師からの回答◆

【関節リウマチとは?】
免疫の異常により関節の腫れや痛みを起こし、そののち関節破壊が生じて変形をきたす病気です。
主に手足の関節で起こりますが、内臓を侵すこともあります。最近では関節破壊予防のために初期の治療が重要と言われています。薬物療法が主となり、 生物学的製剤(レミケード)、免疫抑制剤(メソトレキサート)はよく用いられます。ケアラムも抗リウマチ薬です。フォリアミン(葉酸)は副作用予防に投与されていると考えます。
関節リウマチの方の潜水可否については、主治医と相談が必要です。 

【主治医と相談する際のポイント】
1.ダイビングには一定の身体能力が必要
穏やかな海況での潜水は別ですが、荒れた海況での潜水・約20kgの器材の運搬/装脱着・バディの不慮の事態への対応では、高い身体能力が求められます。
また、関節痛のある中で潜水し症状が悪化した際には、「リウマチの悪化」か「減圧障害を発症した」のか診断に苦慮することもあります。今回の相談内容(関節痛ほぼなし)を見る限りは、関節破壊は少ないように見受けられますが、運動適性について主治医と相談することが良いでしょう。

2.内蔵の問題
リウマチの薬物治療は、生物学的製剤、免疫抑制剤等の登場で飛躍的に進歩しました。一方で、これらの薬には副作用もあります。肝臓障害、胃腸障害などいろいろな副作用が起こり得ますが、中でも潜水に大きな問題を及ぼすのは間質性肺炎です。なお、間質性肺炎については薬の副作用として生じることもありますし、関節リウマチの合併症として生じることもあります。
空咳などを伴うこともありますが、自覚症状があまり出ず気づかれないこともあります。間質性肺炎では減圧障害のひとつである動脈ガス塞栓症のリスクが高まります。この点も主治医に相談する必要があります。潜水では正常な肺機能が保たれていることが必要なので、呼吸機能検査を受けて肺活量80%以上、1秒率70%以上が保たれているか調べることを考慮しても良いでしょう。

3.その他
メトソレキサート内服では、皮膚が日光に過敏となる方もいます。
また、メソトレキサート、生物学的製剤は共に免疫抑制作用を要しており、注意すべき副作用として重度感染症があります。潜水時にちょっとした怪我はつきものですし、海水を誤嚥することもあり、感染に関する一定のリスクを潜水は内在しています。

【ダイビングの可否判断について】
ご質問の「ダイビング可否判断」は、医療相談では困難です。
全くダイビングに適さない、という病気などをお持ちの場合にはダイビングはできない、とお伝えすることが可能ですが、今回のような案件では上記のポイントを考慮に入れ、最終的にはご本人が主治医と相談の上、判断を仰ぐこととなります。このため、こちらの回答を参考に主治医に相談いただくことをお勧め致します。

また、ダイビングサービス側が、病気をお持ちのゲストの受け入れに関するリスク評価の判断材料として「医師からの診断書」が重要です。ただ、いわゆる一般的な「診断書」ではダイビングのリスクは判定しにくい為、DAN JAPANでは「メディカルチェック」という書式を作成しています。PDFファイルおよび使用の手順等がDAN JAPANサイト(下記URL参照)に記載されていますので、ご確認の上利用されるのも良いかと思います。ダイビングに詳しくない医師も多いので、受診の際には医師用の「メディカルチェックガイドライン」も持参するようゲストの方にお伝えください。

診断書やこのメディカルチェックは、言ってみれば車検証のようなもので、現在の身体の状況を医師が評価するものであり、未来にわたり確実に疾病が出ない、という保証書ではないことに留意してください。

《参考文献または参考元》
公益財団法人日本リウマチ財団 リウマチ情報センター
DAN JAPAN DANメディカルチェック/DANメディカルチェックガイドライン

-DAN JAPANメディカルチーム

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