Working overseas

海外でダイビングプロフェッショナルとして働く

ダイビングを始めたのが1987年5月セブ島、その後ルソン島La Unionという場所で1988年にPADIインストラクターコースに参加。そのためインストラクターになるまで日本でダイビングをしたことがなかった私ですが、インストラクター試験終了後、大学復学のため日本に帰国。そこで初めて日本でのダイビングに接しました。

日本でのインストラクターの仕事は、フィリピンでのダイビングとは全く違いその当時僕を雇ってくれたダイブショップ、一緒に働いていたダイブスタッフには多大な迷惑をおかけしていたと思いますが、毎週のように海洋実習で白浜、敦賀などに行っていたころが懐かしく思います。

家庭の事情や、そもそもフィリピンでダイビングを始めたため海外でのダイビングに強く興味があったので、卒業後半年ほどたってオーストラリアへ。1992年に行われたシドニーでのコースディレクターコースに、これもその当時働いていたダイブショップのマネージャーのサポートによって参加が実現。その資格が、オーストラリアで永住権を取得してその後20年以上海外で働くきっかけとなりました。

最近、某雑誌の取材で海外で働くことに関しての対談みたいなことをやって、その時に改めてダイビングのインストラクターとして海外で働くことを考えたのですが、海外で働き続けるうえでの必要条件は次のようなことではないでしょうか。

  • 居住・就労に必要な査証の取得
  • 最低限の英語もしくは現地の言語能力
  • 勤務先の国もしくは地域への貢献
居住・就労に必要な査証の取得

とにかく日本国内で働くのと海外で働くのとではこの査証が一番の違いといってもいいでしょう。査証が取得できない限り海外での正式な勤務はあり得ません。国によって、その時々の政情によって、取得方法が変わってきます。

最近ではオーストラリアで短期ビジネスビザ取得の条件が大きく変わったニュースもありました。今後海外での活動を希望する場合には専門家のアドバイスを受けながら一つ一つ条件をクリアする必要があります。査証に関しては、決して噂などを信じるのではなく実際に申請をしていくことにより近づいて行くということを忘れないようにしてください。

同じ国、同じ査証クラスでも担当官などにより大きく対応が変わることがあります。

最低限の英語もしくは現地の言語能力

日本人経営の会社で日本人相手にダイビングの仕事をするにしても、その他のクルー(ボートキャプテンや現地スタッフ)とのコミュニケーションには最低限の現地での言葉が必要になります。また、生活をする上でも言葉はどうしても必要で、全く現地の言葉がしゃべれないというのは非常に海外勤務が難しくなるでしょう。

ただ、最初は話すことができなくても半年も頑張れば必ず話せるようになりますから、時間を惜しまず海外勤務が始まったら現地の人と接し、言葉に接し少しでも話せるように努力するべきです。

勤務先の国もしくは地域への貢献

ここが海外で生活する上で一番重要だと考えています。日本人なので、私利私欲だけであれば日本に棲めばいいのであって、海外にわざわざ出るということは何か相当の理由がないとうまくいきません。少なくとも現地で働くことが、そのエリアのプラスになるような仕事をすることが大事だと考えます。

時には理不尽な条件で仕事をすることがあるかもしれません。また、利益を二の次にしてある仕事を優先しなければいけないこともあるでしょう。どんな時も、その国にいることがその国の利益にならなくなった時にそこに住む理由がなくなってしまうと私は考えています。

海外で長く住めば住むほど日本が本当にいい国だと気づきます。住むこと、食べること、その他さまざまな面で日本は素晴らしい国だと思います。それでも海外で働きたいというのは、やりたいことをチャレンジするためだと考えます。海外はそういったチャレンジをするには本当に面白いフィールドです。是非、ダイビングプロフェッショナルになったら海外勤務に挑戦してほしいものです。

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